こんにちは!スタッフブログ担当のエレ田です。
黒いどろどろの液体・・・なんだと思いますか?
これは、チャン(chian turpentine)と呼んでいる日本語では瀝青(れきせい)といわれるものです。
以前にも
ブログでご紹介していますね。
炭化水素を主成分とした化合物・混合物の総称で、ピッチ、アスファルト(天然・石油共)、コールタールなど種類があります。
実はこの辺の分類ってとても複雑で、混同している人が多く、間違った認識も少なくありません。
というより、その歴史について未だ研究されている分野なので非常に不鮮明なのです。
例えばアスファトは石油由来、コールタールは石炭由来で通常液体ものであり、ピッチの中でも樹脂由来のものをロジンと言ったり・・・
また、「チャン」自体にも、論文や和訳や漢訳の旧約聖書には松脂から取れるとの表記もあり、正確に元を辿ろうと思うと諸説ありありでした。英語ではturpentineとつくので元々は樹脂由来なのでは?とも思ったり・・・ともかく、日本において「チャン」と呼ばれるものが古くは松脂に由来するものだということは明らかなようですが、現在の定義は分かりません。
溶かす前はこんな感じ。
黒光りしているので鉱石みたいに見えますが、硬いゴムっぽい触感で、溶かす際の匂いは完全に道路のアスファルトです。
夏に道路工事の現場横を通った時のあの匂いです・・・。
塊がガスコンロの強火ほどの火加減ですぐに溶けていきます。
そんなチャン、当社では、花瓶などの防水コーティングに活用されています。特に鋳物等、製造方法上どうしても巣穴ができてしまうようなものの場合、こういった防水を施さないとそこから表面へ水分が滲み出てきてしまいますので、放っておくと製品の強度と美観の低下や、コーティング剥離等、様々な劣化と不良を招く原因になってしまいます。
チャンでのコーティング方法は、古くから現在にかけて防食・防錆・防水など、世界的に用いられています。
とはいえ、1700年代以降に多く用いられた時期があったそうですが、それ以降はワニスやペンキに取って代わられ、廃れてしまった技法です。
この古の技法、チャン流しと合わせて当社独自開発の対鋳物下処理技術で大事なお品物を劣化から守ります!