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良いもの悪いもの Part2

こんにちは!スタッフブログ担当のエレ田です。

 金の代用として扱われてきた「真鍮」
良いもの?悪いもの?・・・さあ、どうでしょう。

 早速、真鍮の優れているところを順番に見ていきましょう!


 
 大きく分けてこの4つがポイントです。
ちょこっと付け加えてお話ししていきます。

1.展延性
 金属加工においてこの展延性は非常に重要で、金槌や木槌などの工具で叩き伸ばした時、割れてしまっては物ができませんし、傷や折れを直すこともできません。お煎餅ではなく、お餅というわけです。


2.電気伝導性
 自由電子の多さに起因するものと聞くと難しく感じるのですが、例えるなら、町内に話好きのおばちゃんが多いほど噂が広がるのが早い、という感覚が似ているかもしれません。


3.被削性
 展延性の柔らかさと加工のしやすさという点では同じなのですが、こちらは切ったり削ったりにポイントを置いています。


4.熱間鍛造性
 熱伝導率が高いといえば、真鍮よりも鍋等に使用されている銅の方がいいのでは?と思われるかもしれません。しかし、加工においては銅では伝導率が高いが故に熱が逃げるのが早く、溶接の際、不良を起こす原因になってしまいます。一方、真鍮は合金のため適度な強度も持ちつつ、銅のような柔らかさ、扱いやすさを併せ持っているのです。







と、いうことで真鍮の優れている4つのポイントをご紹介いたしました。
一言にまとめると、「物作りに適している」ということですね。







 普段から銅と並んで、真鍮も修正修理や下処理の段階で扱う機会は多いのですが、素材自体に重点を置くことがなかったので、とてもいい勉強の機会になりました。
それに金と同様に、真鍮色がアクササリーを作る上で他の素材の色と相性がよく、デザイン性に優れているため作っていてワクワクしました。
色がくすむということは、言い方を変えれば「味が出る」
ということですからね。それも真鍮の大ききな魅力です。
普遍の金もいいですが、革同様自分だけのものに育てていく楽しみもあります。



 さて、やっとこさタイトル回収ですが、皆さまはどう感じましたか?
「代用」「安物」とは言われますが、果たしてそうでしょうか。

その物の価値は、決して金額や希少性だけでは決まりません。
高いから良いもの、安いから悪いもの、昔から良いと言われているから良いもの、新しいから良いもの、というわけではありません。
趣味で、仕事で、物作りの世界に関わってきたエレ田は心からそう思います。
物だろうが何だろうが、その価値ってそう単純な物じゃない。


記事を読んで少しでも多くの方が物作りに興味を持ってくれたらエレ田はとても嬉しいです。
では次回もお楽しみに!